日々彦・詩歌句とともに

主に俳句、付随して詩歌などの記録

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

浅井慎平句集から

〇浅井慎平句集から ・『ノスタルジア』(浅井愼平句集 2008) 「ノスタルジアは人生そのものである。人はなにかを見ればなにかを思い出す。五感すべてがノスタルジアの装置というわけだ。ぼくの場合俳句という表現にノスタルジアが、いつも忍び寄ってくる。…

正木ゆう子『羽羽』など

〇正木ゆう子句集『羽羽(はは)』(春秋社、2016)から(能村登四郎に「老残のこと伝はらず業平忌」あれば)・絶滅のこと伝はらず人類忌 これは、東日本大震災と母の死が強く反映されている。正木ゆう子句集『羽羽』のなかの一句。「あとがき」に〈東日本大…

◎書評:岸本尚毅『高浜虚子 俳句の力』

〇本書は、岸本氏がこれまで俳句関連の雑誌に寄稿してきた虚子に関する文章をもとに構成したもの。 虚子の俳句の魅力を多角的に分析して、俳句という文学の特性を明らかにする。 軽々と詠まれているように見える虚子の句が、いかに俳句という器を生かしたも…