〇加藤典洋氏による日本国憲法「九条強化案」
憲法第九条
一、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。(1項は現行通り)
二、以上の決意を明確にするため、以下のごとく宣言する。日本が保持する陸海空軍その他の戦力は、その一部を後項に定める別組織として分離し、残りの全戦力は、これを国際連合待機軍として、国連の平和維持活動及び国連憲章第四七条による国連の直接指揮下における平和回復運動への参加以外には、発動しない。国の交戦権は、これを国連に委譲する。
三、前項で分離した軍隊組織を、国土防衛隊に編成し直し、日本の国際的に認められている国境に悪意をもって侵入するものに対する防衛の用にあてる。ただしこの国土防衛隊は、国民の自衛権の発動であることから、治安出動を禁じられる。平時は高度な専門性を備えた災害救助隊として、広く国内外の災害救援にあたるものとする。
四、 今後、われわれ日本国民は、どのような様態のものであっても、核兵器を作らず、持たず、持ち込ませず、使用しない。
五、 前四項の目的を達するため、今後、外国の軍事基地、軍隊、施設は、国内のいかなる場所においても許可しない。
※2015年12月9日、日本記者クラブで10月に出版された『戦後入門』(ちくま新書)を軸に戦後論について話し、記者の質問に答えた。
・日本記者クラブ 「戦後70年 語る・問う」(40)
『戦後入門』をめぐって―戦後70年目の戦後論 加藤典洋(文芸評論家)
YouTubeで会見動画が見ることができる